1993年エリザベート王妃国際音楽コンクール優勝以来、日本を代表するヴァイオリニストの一人として、圧倒的な集中力による情熱的な演奏で聴く者を魅了している。
4歳からヴァイオリンを始める。85年第54回日本音楽コンクール第1位。桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業し、92年アムステルダムのスウェーリンク音楽院に留学。これまでに、江藤俊哉、ヘルマン・クレバース、シャルル・アンドレ・リナール、ドロシー・ディレイの各氏ほかに師事。
日本の数多くのオーケストラはもとより、ニューヨーク・チェンバー、モスクワ・フィルハーモニー、プラハ・チェンバー、ハーグ・レジデンティ管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、ボン・ベートーヴェン・ハレ管弦楽団、北オランダ・フィルハーモニー、セント・マーティン・アカデミー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー、ベルガモ室内オーケストラ、ドイツ・カンマー・フィルハーモニーなどに出演、小澤征爾、ユーリー・シモノフ、シュロモ・ミンツ、ジャン・ジャック・カントロフ、アレキサンダー・シュナイダー、スタニスラフ・ブーニン、ジャン・フルネ、ガリー・ベルティーニ、マルタ・アルゲリッチ、フランク・ブラレイ、アブデル・ラーマン・エル=バシャ、ジェラール・コセらとも共演している。
94年、第4回出光音楽賞受賞。96年ニューヨークのジュリアード音楽院から“ディレイ・スカラシップ”を受け留学。97年にニューヨーク・デビューを果たし絶賛を博す。また、オランダの作曲家トリスタン・カーリス(1946~1996)から「ヴァイオリン協奏曲第2番」(1995)を献呈され、アムステルダム・コンセルトヘボウで初演。99年にカーネギー・リサイタル・ホールで室内楽を中心としたリサイタル「Yayoi and friends」を開催。2009年にはアジアにも活動の場を広げ、上海で室内楽や武漢交響楽団と共演、韓国でジェジュ音楽祭に出演。2010年は4月にオランダとスペインでのヴァイオリン・マスタークラスを、11月にピアノのヴァレリー・アファナシェフとのデュオを東京および福井で行なった。デビュー20周年を迎えた2013年には、東京、大阪、神戸、福井にて、協奏曲、デュオ、無伴奏等で大好評を博した。2017年国際音楽祭NIPPON、18年びわ湖クラシック音楽祭で演奏。“東京・春・音楽祭”にも定期的に出演している。国内外のコンクール審査員としても招かれ、2005年にはエリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門審査員を務めた。2023年バルトーク国際コンクール審査員に招待される。同年、イザイ:無伴奏バイオリンソナタ全曲校訂版を音楽の友社から出版。デビュー30周年を記念して、イザイ全曲コンサートなど行う。
CDは2002年録音の「バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲」、「20世紀 無伴奏ヴァイオリン作品集」などの無伴奏作品の他、珠玉の小品集「子供の夢」、エル=バシャとの「フランク:ソナタ、シューマン:ソナタ第2番」、「エネスク:ソナタ第3番、バルトーク:ソナタ第1番」。2022年4月には20年ぶりの再録音となる「バッハ:無伴奏全曲」をリリース。
使用楽器はシャコンヌ (カノン)所有のグァルネリ・デル・ジェス(1728年製作)。
オフィシャルホームページ https://yayoi-toda.com/